スタッフさんも止めようとしているんだけど、お客さんもわいわいきゃーきゃー盛り上がって、わざと間に入るのを妨害していたりして、信じられないことになっている。
真生以外の、ほかのメンバーもどこにいるのかさっぱりだ。
なんなのよ、なんなのよ、なんなのよっ……。
私が真面目に物販に立ってたっていうのに、なんなのよ、これ!!!!
やる気あんのかこらーーー!!!!
カーッと頭に血が上ると、目の前しか見えなくなる私。
人込みをかきわけステージに飛び乗ると、助走をつけて輪の中に飛び込んでいた。
――――……
「藍田さん、そう、怖い顔しないで……」
有田さんが、どうどう、と私を抑えつつ、パイプ椅子に座ったまま、ブスッと唇を引き結んでいる真生を見下ろす。
