夜店で焼きそばを売るのと、物販でお客様をさばくとことを同じにして大丈夫と言い切ってしまう私もなんだけど、有田さんはくすっと笑って、うなずいてくれた。



「そっか……それは頼もしいな。でも悪いね。物販スペース離れてるから、Saw Atのライブ、見られないよね……初めてライブに来たのに残念だったね」



彼の口ぶりからして、本当に申し訳なさそうなのが伝わってくる。私のことを気遣ってくれてるのがわかる。とてもいい人だ。

あのクソ生意気なお姫様真生が『有田さんがいればいい』といったのも、まぁ、さもありなんという感じもする。(悔しいけど……)


なのに私ったら、

「物販も大事な仕事です」

なんて、当たり障りのない返事をしてしまった。


っていうかさ……ぶっちゃてしまうとここだけの話!

そもそもあいつらのライブなんて、見たいなんてまったく思わないんだよね。興味ゼロ。