「ごめんね、女の子に力仕事させちゃって……」
「大丈夫ですよ。有田さんこそ、前は物販からローディーのお仕事から全部一人でやってたんですよね? すごいです、尊敬です!」
有田さん、見た目はほんわか系で私のいくつか年上ってだけなのに、本当に何でもできるってすごい。
私なんて体力バカってくらいしかとりえがないし、荷物くらいいくらでも運びますよって思っちゃう。
「藍田さんにはライブ始まる前から、終わるまで、ずっと物販にいてもらうことになるけどいい?」
「もちろんです。お任せください!」
手のひらを胸の上において、力強くうなずいた。
「ちなみに物販でグッズ売ったことある?」
「ないですけど、田舎のお祭りの町内会の出店とかで、しょっちゅう担ぎ出されていたので、暗算も得意ですし、大丈夫だと思います」
