「――」
「さっきも言ったけど、彼女はデイジーレコードの社員さんだ。仕事でここに来ている。新入社員だからって、なに? 君たちのこれからを一番そばで見つめてくれる人なんだよ。それがわからないのかな?」
どうしてだろう。
御子柴さん、めっちゃニコニコしてるのに、なんだか怖い……。
オーラ―というか、逆らえない迫力がある。
けれど真生は不機嫌そうに眉根を寄せて、ついっと私から目を逸らしてしまった。
死んでも非を認めたくないらしい。やっぱりいい性格をしている。
それを受けて、
「すみません、御子柴さん、藍田さん」
ゴリラ兄さんが、また頭を下げる。
「あ、いえ……」
別にゴリラ兄さん――
いや、唯一まともっぽいリーダー小次郎さんにムカついたわけじゃないし。
