「――しかもさっきのあれ、なに……サルみたい。気持ち悪い」
ぽつりと真生が口にする。
さっきのあれ?
サル?
気持ち悪い。
一瞬頭が真っ白になる。
「――ん、俺?」
そこで、ずっと怖い顔して突っ立っていた多聞が眉をひそめながら、ソファーに持たれている真生を見下ろした。
「いや、真生は多聞がサルに似てるとか言ってないって~! たぶん俺のこと投げ飛ばしたあかねっちの身のこなしのこと言ってるんだって~!」
あはは、と笑いながら銀二が手のひらをちょいちょいと動かすと
「あ、なるほど。確かにすげえ投げだったな。咄嗟にあれがでるって、まともな女じゃねえ……」
多聞がしみじみとうなずく。
