Be yourself!


と叫びたくなるのをぐっと我慢する私。


っていうか御子柴さんのこのレーベル、本当にまともな社員がいないんだ……!!!


まさに猫の手も借りたい、そういう状況なんだろう。

で、体力に自信がある私が招かれた、とか。ああ、きっとそうだ……。


なんて自分を納得させようとしていると、御子柴律が苦笑しながら、こちらに背を向けた、私のななめ前にあったソファーへと歩み寄る。



「真生(マキ)、起きるんだ」



マキ?


首をかしげると、革張りのソファーの背もたれの部分をガッとつかむ指。


その白い指が驚くほど細くてきれいで、目を奪われてしまった。



「ウルサイ……」