っていうか、ここの社員、だよね? よっぽどの人材不足なんだろうか。 この不景気、募集をかければいくらでも人は集まってきそうだけど……。 「で……」 御子柴さんが背後を振り返って、 「多聞(たもん)」 と声をかける。 壁にくっつけたソファーの上に、赤い坊主頭の男の人が座って、ぼーっとこっちを見つめていた。 和風の、すっきりした顔立ちをしているけれど、かなり目つきが悪い。 しかもTシャツからのぞく両腕には、唐草模様のタトゥが刻まれている。 こわっ! どう見ても堅気じゃないです!!!!