ゴツン!とひどい音がして、銀二が両手で頭を抱えその場にしゃがみ込んだ。
今度はなに!?
いきなり現れたように見えるその男、身長は190センチに近いんじゃないだろうか。
彼は、さらに銀二の頭の上に手のひらを乗せると、体を折りたたむようにして深々と頭を下げる。
その堂に入った頭の下げっぷりに、言葉も出ない私。
次から次に起こる事件に思考がついていかない。
「すみません、監督不行き届きで!」
「あ、いえ、その、いえ……」
まるでサラリーマンみたいだ。
体だけじゃなくて声もでかい。
私も声が大きいとしょっちゅう言われているけれど、それ以上だ。
っていうか……私がイノシシならこの人はゴリラだな。うん。
