左手の観葉植物の向こうにはもう一枚ドアがある。
私もここで働くんだろうか……。だよね?
妙な緊張を覚えながらきょろきょろしていると、
「あ、そのドアの向こうにうちの子達いるから呼んでもらえるかな。朝飯だよって」
コーヒーメーカーのスイッチを淹れる御子柴さんに声をかけられた。
「徹夜あけで寝てると思うけど、気にせず起こしてくれたらいいから」
「はい、わかりました」
ああ、やっぱり人がいたのか。
しかも徹夜明け……。
抱えていた紙袋をデスクの上に置いて、ドアノブに手をかけ引く。
何も考えずにフロアに一歩足を踏み入れて、目を剥いた。
