車が嫌いだ。
うるさいし、大きくて怖いし、
排気ガス出すし・・・
嫌いだ。
僕には車に乗った記憶はないけど、なんだか嫌な感じがする。日本人の大多数があれに乗ってると思うと鳥肌が立つ。
あんな不安定な鉄の塊に身を任せるなんて・・・みんな命かけてるね。
窓の外を見つめてそんな事を考えていると、さわかが袖をクイクイと引っ張ってきた。どうやら手紙を書き終えたらしい。
僕宛てではないようだが一体誰宛てなのか。
さわやかには友達も両親もいないはずだけど。
・・・手紙を見つめて相手を考えてみるがわからない。ハァと溜息をついた瞬間のさわかの質問に目を丸くしてしまった。
「ねぇ、男の子の両親はどこにいるの?」
「・・・・・・・」
ぶわっと風が入り込んだ。
「うわっ」
「ひゃっ」
手紙が風に飛ばされ、入り口近くまで飛んでしまった。
「男の子、取ってくれる?」
点滴もしていない健康体のはずなのに、なぜか頼まれる。まぁさわかだから断らないけど、僕は少し迷ってから
「中身読んで良いなら」
と答えた。我ながら嫌な性格をしてる。
嫉妬だ。
僕宛てに手紙を書いてほしいのに、誰かも解らない奴に一生懸命手紙を書いてるさわかが少し嫌だっただけ。
「読みたいの?」
「気になっちゃって。」
「いいよ」
いいのかよ、と思いつつ立ち上がり、手紙まで歩く。
紙はもちろんメモ用紙のアレ、猫柄の可愛いやつ。
拾い上げてピラピラさせながらもう一度聞いた。
「ホントに読んで良いの?」
