私は記憶が無い。
目覚めたら
白い部屋に寝かされていた。
これで記憶があったら両親や友達を思って泣いただろうけど、幸い(?)良心のことも友達のことも忘れていて、私は悲しんだりしなかった。
ただ寂しいとは思ったけど。
男の子は記憶にある限りいつも来てくれて、私は当然のようにそれを受け入れた。
来るのが当然だと思った。
最初からそうしてくれてたから。
優しいのが当然だと思った。
優しくない時が無かったから。
どうして優しいのか
どうして来てくれるのか
考えなかった。
考えたくない。
だって忘れちゃったの。
きっと理由はあったのに
私が忘れちゃったから、思い出せない
ならもう良いよ
知らなくて良いよ
そう、思った。
男の子の名前も忘れて
自分の過去も忘れて
優しいのも
全部全部わすれて
楽しいよ?
全部わすれてるから。
だけどさぁ。
私が忘れて行くだけ
私が楽になるだけ、
それだけ男の子は苦しむでしょう。
ごめんね
ごめん
私も本当は
だいすきなんだよ
