・・・頑張れ・・・蓮・・・・


頑張れ!!!!!



あたしはぎゅっと目を瞑った。








ザザッ




そんな土と靴が擦れるような音がして、あたしは固く瞑った目を開けた。




「・・・・・・・・・っえ!?!?」



周りのギャラリー達もどよめく。





あたしの視線の先には・・・・・・・・・










蓮がうずくまっていた。









足を押さえて、身を縮めているから、顔はよく見えない。


けど・・・絶対痛がってる。




足・・・・・・・・・怪我してたの!?!??!




あたしはドクンドクンと心臓が震えるのが分かった。


心臓だけじゃなく・・・手も、足も・・・体が震えていた・・・。












『守谷・・・怪我してたんだよな・・・』


『通院してたし・・・』


『鮎川って奴はソレ知らねーよな??』








そんな声がギャラリーから聞こえた。




怪我・・・・・。




知らなかった。


それなのに、この試合に出たの??


そこまでして・・・出たいの??




"プライド"






あたしの頭に浮かび上がる四文字。




絶対、蓮はプライドが高い。





蓮のサッカーへの思い。
蓮のプライド。
蓮の勝利・・・。




あたしは思いっきり息を吸い込んだ。