柚に言われて、あたしはあんまり驚いてはいなかった。
多分あたしも気付いてたんだ、自分の気持ちに。
でも蓮が強引すぎて振り回されて…頭が混乱してた。
言い訳になるけど…
そのせいであたしは自分の気持ちに気付いてないフリしたのかな…。
『そうでしょ?』
柚にそう問われ、あたしは確信したんだ…
「……うん」
あたしは蓮が好き。
心から素直に、そう思えるよ。
『じゃあ今から気持ち伝えてきなよ!』
「で…でも…
あたしの気持ち伝えても…付き合ってくれるかな…?」
離れて行った蓮。
何故だかは分かんないけど…
もう無理なんじゃないの…か、な?
『大丈夫!自信持って!』
そう言って柚はあたしの背中をトンと押した。
その反動であたしは前に進む。
……っ
そっか、前に…
進まなきゃ……
「…柚、ありがとう!!」
決心したよ。
気持ち伝えてくるから…
『うん!頑張れ!』
柚の輝いた笑顔を見ると、あたしは思いっきり走り出した。
まずは玄関へ…
確か蓮が入っていった教室は…1-Eだった。
蓮…蓮…守谷蓮…
「あった!!!」
スニーカーが入っている…という事は、まだ帰っていないようだ。
どこに居るんだろう…?
あたしは急いで走り出した。


