そしてようやく蓮が歯磨きを終えた。
「出て行って!!」
『無理。』
………は?
『そんな格好見せられて出て行く奴なんかいねぇよ』
そう言って蓮は、あたしの両肩を掴んで、壁に押し付けた。
「…へっ!?」
ちょっと!?
これは…ヤバい展開!?
『キス……したい』
………っ!?
いつになく真剣な瞳の蓮。
「な、何言って…」
あたしが言い終わらないうちに、唇が塞がれた。
「…っふ」
深い甘いキスに、足がカクカクと震えた。
「…れっ…ん」
力が入らない。
抵抗する事も出来ない。
「……っ!!」
蓮があたしの体を隠すタオルを取ろうとした。
「…やっ…」
ゆっくりと離された唇。
息が出来なかったため、あたしは肩で息をしていた。
今だ至近距離にある蓮の顔。
『…冬嘉…見せて?』
………っ。
顔が赤くなるのが分かった。
「恥ずかしいっ……」
心臓は体から出るんじゃないかってくらい暴れている。


