ネックレス……。
あたしの首には、苺のモチーフのネックレスがかかっていた。
「……どうして…?」
戸惑うあたし。
蓮はクスッと笑ってあたしをそのまま、後ろから抱きしめた。
………っ!?
「!?ちょっと蓮!!
ここ道端だから!!!!」
鼓動の音が蓮に聞こえるんじゃないか?ってくらい、あたしの心臓は激しく暴れる。
そして、蓮はあたしの耳元でこう囁いた。
『ハッピーバースデイ』
……………っ。
「お、遅い!!
昨日だってば!!」
『ちゃんと前から用意してた。
けど喧嘩したから…
渡せなくて。』
………ちくしょう。
あたしはいっつもドキドキさせられてばかりじゃんかぁ。
悔しい。
けど、蓮の温かさでどうにかなりそう。
「……ありがとう。」
苺のネックレスなんて、また苺みたいって馬鹿にされてるみたい。
でも、嬉しい。
あたしを思って買ってくれた。
あたしを思って選んでくれた。
それで十分。


