『…まじかよ』
また…迷惑かけた。
『守谷ん所に、女子来ただろ?』
『ああ…誰かが、俺の所来て…
冬嘉が危ないって言ってきた』
真由子達から一人だけ…部屋に出たのは蓮を呼ぶためだったんだ。
それで蓮に話してる女の子を先輩が見て…あたしが危ないって聞いて……先輩は来てくれたんだ。
蓮は試合あるから遅れたんだ……。
試合……なのに。
あたしのせいだ。
蓮のせいなんかじゃ……無い。
あたしが真由子達に付いて行ったから…蓮にも先輩にも迷惑かけた。
『じゃあさ』
蓮が低い口調で、ゆっくりと口を開いた。
『……何で抱き合ってた訳?』
冷たく、低く言った蓮。
あたしにも、先輩にも目を合わせずに。
………………
沈黙が起きる。
『それは』
そんな沈黙を破ったのは先輩だ。
『俺はまだ海宝を諦められないから。』
……………え?
諦められない…?
まだ………?
それって…今…も?
『は?』
蓮が先輩を睨んだ。
『俺、泣いてる海宝見て気付いた。
諦めるつもりだった。
……けど
無理だった。
俺は……………』
あたしを見つめる先輩。
嘘………でしょ?
『絶対泣かせない。
海宝の事。』
………やめて。
『………』
蓮…何で何も言ってくれないの?
…………蓮。


