『誰…?』
真由子達は驚いている。
『お前ら、早く出てけ』
真由子達を睨みつけた先輩その目に、真由子達は慌てて急いで飛び出して行った。
「…せんぱ…い?」
驚いて驚いて、声がかすれる。
『海宝…大丈夫か?』
久しぶりにこんな近くで見た、先輩。
告白されてから、気まずくて会えなかった。
廊下ですれ違っても、目を合わせなかった。
それでも、優しい微笑みの先輩。
少しウェーブがかかった髪とメッシュは、先輩の特徴。
「…ど…して…」
あたしはそう呟いた。
あたしに近付く先輩。
どうして…
先輩が来てくれたの?
『怪我とか…無い?』
先輩の香水の香り。
これを嗅ぐと凄く、安心出来る。
あたしは小さく頷いた。
『………良かった』
そうポツリと呟いた先輩を見たら……
『…海…宝…?』
思わず、目に溜まった涙が溢れた。
先輩に迷惑かけた。
あたしは結局、怖くて先輩に告白の返事が出来なかった。
先輩はどうしてあたしが好きだったの……?
ごめんなさい………
「先…輩ッ」
涙が止まらない。


