―学校






『あ、冬嘉補習だ~!
馬鹿だもんねぇ♪』

「うるさい!!
柚もでしょ!?」



柚とそんな風に馬鹿やっていると……







『これ、どうぞ♪』



…え?


突然何かを渡された。

不思議に思って開けてみると…



「マフラーだぁ!!」
『誕生日おめでとう。』


…柚~…



「ありがとう柚たん♪」
『たん!?やめれ!!!』




あたしと柚がじゃれあっていると…





『冬嘉、今日は蓮君と会えなくて可哀想~』




そんな声がして、あたしと柚が振り向くと、真由子達が腕を組んで立っていた。



久々の登場…
(↑おい)


久しぶりに言葉で喧嘩売ってきたな。





「別に悲しくないし」
『あー強がってる♪』


クスクス笑う真由子達。


…何だろう。何か変だ。




『蓮君も大変だよね~こんな女と。』


『え~蓮君は仕方なく付き合ってるんでしょ。

冬嘉ってば強引に蓮君に付き合ってもらってるんじゃないの~?』




…何?


あたしは妙な胸騒ぎがした。




いつもと違う。

真由子達は、こんな事あたしに言ってきた?




『あんたら馬っ鹿じゃないの?
守谷君は本気で冬嘉が好きなんだよ。』


強気な態度でそう言ってくれたのは柚だ。




『…は?』

『柚は部外者でしょ?黙っててよ!?』





…やだ。
変だよ…!?


柚の事まで…言うのはやめてっ!!!



あたしが文句を言おうと口を開きかけた…時。







『うるさいんだけど。
だからクラスで一番頭悪いんだよねー。』





冷静に、低い声で呟いたのは…


康輝君だった。




『何よ、鮎川も入ってきて』
『黙っててくんない!?』


あきらかに、動揺している真由子達。

康輝君の迫力に圧倒されているようだ。



でも康輝君は動かない。

目線は教科書へと向けられたまま。