『泣いてるくせに…』
「泣いてない」
『俺が平気じゃないし』
「…あっそ」
可愛く無いなぁ。
あたし。
本当は嬉しいのにさ、素直になれない。
それでも蓮は抱きしめてくれる。
『お前を触れるの俺だけなの。』
………っ。
…意味…分かんない。
スーパーマンみたいな、ガキ大将みたいな蓮。
それでも嬉しくてニヤけてしまうあたしは可笑しい?
「…勝手に決めないで」
『俺のものだから、俺が決めるし』
…俺様すぎんだってば。
「……ッく…」
また涙出てきた…。
『俺の胸は安心度100%だろ?』
「通販じゃないんだから…ッ」
そう言ったら蓮がハハッって笑った。
あたしも笑った。
泣いてるのに笑った。
蓮の胸は、世界一、安心できるかもね。
二人で、手を繋ぎながら部屋に戻る。


