『何してんの?
金髪さん』
っえ!?
男の動きがピタッと止まった。そして振り向く。
あたしは目を開き、前を見る。
………え……
口の端をニッと上げて立っている。
しかし目は笑ってない。
茶色の髪が濡れている。
左耳の見慣れたピアスがない。
………蓮…
『こんな所まで来てそんな事してんの?』
蓮は男をキツく睨みつけながら、あたしの手首を掴んでいる男の手を取った。
男は蓮の迫力に圧倒されている。
わなわなと震え、さっきまでの迫力は無い。
『目障り。』
っうっわ!!!!
いくら何でもそれは…
さすがドS俺様男。
(↑凄いあだ名…(汗))
サラリとそんな言葉を発する蓮に、男は怖がってすぐに逃げていった。
「…目障りって…(汗)」
男が消えたとき、あたしはそう言った。
『目障りじゃん。』
蓮はそう言うと、あたしの掴まれた手首をそっと握った。
少し跡が付いたあたしの手首。
…痛かった。
…怖かった。


