エレベーターに乗り、8階に着く。
エレベーターの目の前のドア。
そこが蓮の家らしい。
蓮がポケットから鍵を取り出し、開ける。
ガチャっと音がする。
キイッ…
真っ暗な部屋。
誰も居ないみたいだ。
『誰もいないな。
どうぞ?』
「…お邪魔します。」
蓮が先に入り、自分の部屋らしきところに入る。
そして、適当に片付けている。
あたしも靴を脱ぎ、そろりと中に入る。
『ん、いいよ。
ここ俺の部屋。』
「……おお…」
変な感心の声が出た。
…そこは、いかにも男の部屋って感じだった。
でも、片付いている。
あたしの部屋と大違い。
家具は黒と白のモノトーンを基調としていて、結構広い。
左に机や棚があり、右にはベッドが。
「綺麗だね!!」
『そ?』
蓮はネクタイを外す。
…………っ。
格好良い…。
思わずみとれてしまう。
『座れば?』
「っはい!!」
…何処に座れば…?
あたしはそろりとベッドに腰かける。
『ぷっ。
やっぱ緊張してる。』
蓮もあたしの隣に腰かける。
ネクタイを外し、第2ボタンまで開けたシャツから、肌が見える。
………っ。
っぎゃあああ!!
ダメ、変なのあたしじゃん!!!!
あたしの馬鹿!!!!!
「緊張なんかして無いっ!!!」
あたしはまた嘘をつく。


