『これからもずっと、二人の愛を誓う、そう約束してもらえますか?』
まるで結婚式みたい。
恥ずかしいよ……(汗)
『守谷蓮君!!
誓いますか?』
実行委員長は言った。
蓮は無言だった。
体育館は先程の騒ぎが嘘みたいに静まる。
……蓮?
あたしは、こんな変な行事なのに、何故か心臓が激しく脈打っていた。
……そして。
『ずっと、じゃねぇよ』
やっと口を開いた蓮は、こう言った。
…………え?
一瞬どよめく体育館。
『ずっと、なんて曖昧じゃねぇよ』
そう蓮は言うと、あたしの元へ歩いてきた。
二人の距離は近づく。
その時、まるで世界がスローモーションしたみたいだった。
スーツに身を包んだ、茶髪で、左耳にピアスを着け、いつもより更に格好良い蓮。
目を逸らせない。
真っ直ぐあたしを見つめて、少し微笑んでいる。
目を逸らしたくない。
蓮は、あたしの前で止まった。
観衆は静かに見守っている。
実行委員も、全校生徒も、先生も、保護者も。
あたしと蓮を見ていた。
でも、あたしには蓮しか見えなくて。
何故だか分からない。
あたしの頭には、蓮との思い出がフラッシュバックしてた。
あたしを助けてくれた時の事。
あたしを思ってくれた時の事。
あたしを………
たくさんあった。
けど、今はどれも良い思い出だよ。
ねぇ……
蓮はこれからも、あたしと一緒にいてくれる?
あたしは、震える心臓を抑えながら、蓮を見ていた。


