この学校に2年いるけど知らなかったっ!!
ベストカップルって!?
頭の中は大混乱。
『この行事は毎年恒例!!
実行委員が校内で最もお似合いのカップルを選び、この場で発表するのです!!』
な、何のためにだよ!!
あたし、この学校に来てツッコミの才能上がってないか…?
そんな行事知らないし!!
でもお似合いとか言われて…ちょっと嬉しい……かも。
って!!無い無い!!
こんな変な行事!!
誰が考えたんだか!!
騒ぎがおさまらない体育館。
てか……全校生徒?に先生に…
保護者いる!?
あたしはよぉく目を凝らした。
さすがに保護者は少数だが…
『………かっ!!!』
………んん?
『……ぅかっ!!』
ぎぃえっ!?
お、お、お………
お母さ……ん?
お母さんが……舞台に向かって…
あたしの名前呼んでる!?
「シィ―――ッ!!!!!」
あたしは必死に口に人差し指を当て、お母さんに伝えようとする。
恥ずかしいッ!!
やめてよ~///
蓮は、そんなお母さんに気付いたらしく、そしてツボにハマったのか、頑張って笑いをこらえている。
…は、恥ずかしい~///
『それではお二方!!』
実行委員長がキリッとあたしと蓮の方を向いた。
『……この行事、優勝組のカップル、恒例の…』
実行委員長がそう言うと体育館は更に騒がしくなる。
な、何………?
あたしはまるで、ジャングルで獲物にされ、肉食獣に囲まれている動物みたいになっていた。
あたしは、静かに実行委員長の言葉を待った。


