『やったじゃないの~冬嘉ってばぁ♪』


…はいっ!?


笑顔100%のお母さん。


なだこの母親は…と娘は悲しいですよ。



あたしがポカンとしていると、お母さんは素早く蓮の方を向いた。




『蓮君!!
あなた、学校一モテるんでしょ!?』



…いや…そんな質問しても蓮困るでしょ…




「ちょっとお母さん!!」




『いえ、そんな事ありませんよ。』


にっこりと笑う蓮に、完全KO気味のお母さん。



ったく!!!
何でこんな母親なのっ!?




『冬嘉を宜しくね♪』



目をキラキラさせて言うお母さんに、流石に蓮も困っているようだ。




『…ええ…』





「って事で!!!もういいでしょ、お母さん!!!」



あたしはお母さんの背中をグッと押した。



蓮に言いたかった事、言えなかったじゃん!!!


…先輩に告白された事…






『え!?
あ、そうね、二人の邪魔しちゃいけないわね!!』



そうじゃねえよ…(汗)




『じゃ、あとでね!!
では冬嘉を宜しくお願いしますね、蓮君♪
今度家に来て下さい♪』



「はい!!?!?」


『何よ、文句でも?』


「………。」




蓮の次に勝てない人かもしれない。




その後、お母さんはルンルンと鼻歌を歌いながら帰っていった。




………嵐。



お母さんを漢字1文字で例えたらまさに、゛嵐゛だ。





あたしがぼーっとお母さんの小さくなっていく後姿を眺めていると…