『探したわよ!!
彼氏って誰なのよ!!』
お母さんは、あたしの隣にいる蓮に気づいていない様子。
けど、あたしは蓮に腕を掴まれているから、見られたらバレる!!
あたしは、蓮から腕を引き離そうとした。
しかし。
………っえ!?
あたしはふと蓮を見上げた。
蓮があたしの腕をガッチリと掴んで離さない。
ばれるでしょ――!!?
あたしが必死に引き剥がそうとした…
その時。
『……あら?
どちら様?』
ついに、
ついにお母さんが蓮に気づいた。
ぎぃやああああ!!!!
あたしは心の中で悲鳴を上げる。
「こっ…この人は…ただの…」
友達って事にしちゃえ!
……しかし。
『こんにちは。
実は冬嘉さんとお付き合いしています、守谷蓮と言います。』
……………。
あたしの口は開きっぱなしで塞がらない。
営業スマイルで言うな!!
『……え?』
お母さんまでもが驚いている。
そりゃそうだ……。
蓮のルックスに驚いているはず。
しばし無言のお母さん。
しかし、お母さんの頬は赤く染まっていく。
あ、れ………?
『………やっ…』
やっとお母さんが口を開いた。
しかし、その口はわなわなと震えている。
「………や?」


