「…あの…何処行くんですか?」




あたしと先輩は1Eを出た。


無言で歩く先輩に引っ張られているあたしは、1Eから随分離れた場所に連れてこられた。




『…ここ、入って。』




ここ、とは…誰も使っていない資料室。


あたしはゆっくりと足を踏み入れる。



この高校に来て2年のあたしでも、初めて入る所だった。



資料室は、薄暗く、埃臭い。



戸棚にはビッシリと本やら参考書やらが詰まっていて、独特のにおいを放っている。




でも、嫌なにおいでは無く、落ち着くような、そんなにおいだった。




「こんな所だったんだ…」



あたしは意味不明な感心をする。






『海宝さ……』


先輩はそう呟くと、







あたしの肩を掴み、
壁へと押し付けた。



「っきゃ!?」


痛いっ………!!!!




『アイツが好きなの?』





先輩は睨みをきかせた目であたしを見る。





「…あ、アイツって…」
『守谷。』




いつもと違う、迫力のある先輩に戸惑うあたし。



「…何でですか?」
『………答えてよ』



どうしたの……?
先輩…………。