お…


「お化け屋敷!?
無理無理!!!
絶対入れません!!!」



大の苦手なのに!!!



『一人だけで入っていくんだけどな~』


ニヤッと笑う先輩。


「無理です!!
一人とか怖い!!!」



『ははっ。

大丈夫。女の子には一人俺らのクラスの誰かが一緒に入ってあげる事になってるから。


じゃあな♪
絶対来いよ?』



「…分かりました…」




三宅先輩はククッと笑うと、去っていった。






『冬嘉ちゃん、今度は5番テーブルね』


「はいっ」



あたしは5番テーブルへ向かう途中、考えていた。



…良かった。

さっきの先輩はいつもの先輩だった…。




゛海宝゛



あの潤んだ瞳で、あの後何を言おうとしたの?


あたしの頬に手を添えて何を思っていたの?




いつもと違う先輩に…
ただただ戸惑っていた。



でも、別れ際の会話の時はいつもの先輩だった。



…どうしたんだろう?







あたしは不思議に思いながら、5番テーブルの椅子へ腰掛けた。