そう思うと、悲しくなった。 だから、その他には何も言わずぱっと部屋を出た。 「あれ、彩乃ちゃん帰るの?」 先輩の妹と凪ちゃんと、兄の司さんがいて、あたしにわざわざ声をかけてくれた。 「あー、はい。先輩、今携帯に夢中だから。」 「は?あいつが?…それにしても彩乃ちゃん、浮かない顔してんなあ。お兄さんと妹さんが、話聞きましょーか?」 司さんがふざけたみたいに言って、凪ちゃんはうんうんうなずいている。 「え…でも2人に悪いし、大丈夫ですよ。先輩にも帰るって言っちゃったし。」