「…彩乃。いく?」 「うん!」 さっきまで泣いてた奴はどこへ行ったのやら、明るく弾けたいつもの彩乃がおれのとなりにいた。 「次はね…どーしようかな!」 とりあえず飯を食いに行き、ゲーセンに行き、ぶらぶらしてから帰った。 俺と彩乃の初デートは終わり、明日からはまたコンクールに向け練習をしていくことになる。 いつまでも休み気分ではいてはいけない。あの映画の主人公のように怖れず普門館を目指すのみだ。 いきたい、その気持ちのみを糧にして。