【完】隣の先輩。



「…」



なにも答えないあたしを不思議に思ったのか、先輩は顔を覗き込んだ。



「彩乃…?なんかあった?」



「…せん、ぱい。」


「ん?」



優しく微笑んだ先輩を見て、泣きそうになった。



「何でも、ないよ。部活、いこう?」



無理に微笑んで、歩き出した。




不安だよ、でも、



こんな時期に、先輩に迷惑かけたくないの。