そして、ナイフを首筋にスライドさせて突っ切った。 手応えがあってから、鮮血がたらたらと流れる。あたしは目を見開いた。 「…まじで、目障りな女」 「ちょっと、」 切ったのは、皮膚に食い込んだのは、あたしの首筋じゃなかった。 彼、何故か薄ら笑いを浮かべた鶴来さんの手の平に、銀色の刃は食い込んでいた。 ―――何で? 疑問と驚愕で、思わずナイフを放していた。