そう、そうだ。 あたしは顔を上げる。一瞬、彼がたじろいだ。確か前にも日向君が見せた気がする。 そんなにあたしは、人を惑わす目をしているのだろうか。ならばそれを利用するまでだけど。 あたしは肩の力を抜き、下から見上げるように挑発的に目を向けた。 「あたしは、貴方のように弱い人間じゃない。」 「あ?」 「“武器”に頼り、1人ぼっちに恐怖する貴方とは違う。」 「――…」