――――――彼の手に、鶴来悠貴の手に、折り畳み式らしき銀色の刃が握られていた。


「………………な、に」

「てめぇは、ただの女にもなれないんだな。冷めてっし、見てて目障りだ。」

「だから………?」

「―――お前に苦しみを味合わせてやる。」

「っ…!!」


ナイフが、蛍光灯の光を反射させてギラギラと此方を向く。

今更。本当に今更だけど、あたしはツイてない。しぶとく生きたのが間違いだったか。