彼は、漆黒の服装をしていた。 黒のブレザーのような上着に、チェーンの付いた黒のズボン。透明な傘が、さらにその美しさを上手く演出してた。 久々、と言うか軟禁された初日から会ってなかった。 ならば今だって会えなければ良かったのに。何で鉢合わせしてしまうんだ。 「っ、…ハ、ハァ…」 そして、思わず背筋が一瞬凍った。 ――この人、今捕まえようとした?手が服をかすったような気がするんだけど。