雨で濡れてきた顔を袖で拭き、木から塀の上へ移動した。裸足のため、冷たさが痛いくらいに伝わってくる。 そして、塀から地面へ飛び降りた。 ビシャ、と水しぶきが舞い上がり、予想以上に塀が高かったために水溜まりへ全身で落下する。 冷たさが、痛みが、生きている証しだった。 「…死ぬわけには、いかないの。…絶対に。」 自分に言い聞かせるように呟くと、それは雨に紛れて儚く消えていった。 けれど、腹は決まった。 必ず生きてやる。