「後ろ向いて」 静かな、落ち着いた声が響く。和室だからか、反響する事もなかった。 あたしが後ろを向くと、小さく畳が軋む。ゆっくりと、目線を彼から剥がした。 しばらくして、彼は「うん」と明るく声を発する。 「さすがにまだか。けど、ちゃんと治ってきてるよ。ありがとうね。」 あたしはまた振り返り、何の返事もすることなく床に脱ぎ捨てた衣服に手を伸ばす。 そして、その腕を捕まえられた。