「日向、さん」

「あ゛?」


君付けはさすがにマズいかな…、と思ってさん付けにする。

いつものように御膳を取り下げようとした彼を、あたしはそう呼び止めた。

完璧なる予想通りの、不機嫌不満いっぱいの悪態的反応が真っ向に返ってきた。相変わらず迫力に欠けるけど。


「この、ご飯を作っている方にお伝え下さい。」

「………は」

「とても美味しいです、いつもありがとうございます、と。メニューもよく考えられていて、本当に美味しいんです。」

「……………」