扉を開け

 泣きそうになりながら手を伸ばし、つれていかないで、と

 けれど嘲笑うかのように

 目の前で


 俺の大事な、大事な   は、悲鳴を上げながら、暴れながら、それでも、

 ギラリと光る刃に捉えられ、


    は、泣きながら叫んでいるのに

 ねえ

 なんで



 なんで、おれからさきにころしてくれないの?



 その扉に手をかけ、俺は   の名前を叫んで、




 そこで記憶は無くなった。