するとそう思ったのが分かったのか、咄嗟に口にごつい手を当てて辺りを見渡す。

俺は鼻で笑い、少し強めの酒を頼んだ。


スキンヘッドの男、このバーのオーナーが背を向けると、煙草を胸ポケットから取り出しライターの火を点ける。

ゆらゆらと揺れていく煙を見つめながら、夕飯どうすっかな、と考えた。


「にしても、久々じゃないのか?その獣が暴走するのは。」

「…ああ――多分、連絡がとれねえんじゃねえかな。」