輔さんは、相変わらずのようだ。一番あたしと敵対しているのは、もしかしたらこの人なのかもしれない。


彼は御膳を、手に持っていた。いつもは日向君が持ってくるのに、と考えた所で気付く。

この人はあたしに話がある。それの口実が食事だ。


あたしはキュッと唇を締め、表情に余裕が見えるようにして布団の上で彼を見つめる。

彼はテーブルの上に御膳を置くと、冷たく、笑った。


「もう、逃げ出す計画はしてないの?」