「確かに、キツいですね。なりふり構わず、逃げ出したくなるくらいに。」 「………」 「でも、逃げても連れ戻して、貴方が生きて帰さないと言うのならばあたしは正面から抵抗します。」 ス、と鶴来さんが動く気配。 あたしは既に、顔を上げて彼を見つめていた。また、彼の瞳が揺れる。これがあたしの強味なのだ。 きっと、壊すから。 「全部を壊してでも、あたしは生きます。生き続けなければ、ならないんです。」 貴方の、氷で閉ざした出口。 誰というわけでもなく、あたし自身の欲動で。