◆ 「鶴来さん」 ギイィ、と音をたてて滑らかな体躯が部屋へ入ってくる。 白い肌に黒い衣服、綺麗な顔。何度見ても目を奪われるその姿は、息を呑むほど浮き世な感じがした。 「――…熱か」 「は、はい。」 意識を失ったか眠ったのか、目を瞑って倒れ伏せたコイツ。 凜として女にしては最上に綺麗な顔が、俺の目の前で眠っていた。肌がより白くなって、ただ頬だけが赤い気がする。