「…………触るぞ。」


何か言われた気がする。そう感じた数秒後、戸惑うような仕草で冷たい体温が額に引っ付いてきた。


その冷たさに触れた瞬間、息を吸い込む。

日向君はそれに反射的に手を引いたみたいだ。もしかして、拒絶されるのを恐れていたのだろうか。


「熱い…。」

「…日向、君」

「な、何だ?」


何が何だか、頭がぼうっとして分からない。


ただあたしは、手が動くままに日向君の離れた手を掴んだ。