煌びやかなネオン。 喧騒も他人事のように遠い。 蕾は木の枝から芽を咲かせ、わずかな色味を増せて、新たな季節へと首を伸ばしていく。 ――どうせ、散るのならば。 目一杯に生にしがみつけ、 蕾を咲かせ早くに散るな、 ――さあ。 物語は此処から、既に始まっている。 それは、闇と愛の執念に呑み込まれた、哀れで廻る街の物語――。