~桜花~




ふと気がつけば色摩君の名前を呼んでいた。




色摩君は歩いていた足を止めてゆっくり振り返る―――整った顔が夕日に当たって、
まっすぐ見られない。





「色摩君は..平気なの?鬼と戦うなんて」




「別に、仕方ないだろう。それが俺の使命なんだ」




なんて強いんだろう、カッコいいんだろう。



私はこんなに恐ろしくて怖くて震えるくらいで
今にも逃げ出したい気持ちになるのに。




「お前はどうなんだよ」