~桜花~




“なんかいいよね、楓夏だけ特別な感じがしてさ”




特別、それはつまりこういうことなの?




「楓夏ちゃん」




おばあさんの声に俯いていた顔を上げた。




「誰でもそうや、怖いんやで」


まるで私の心を読むかのように諭すおばあさん。

穏やかだけれども、瞳の奥にはものすごく強いものを持っている。




「でも私、剣術なんて」




「剣道やて立派な剣術やで」