そして今私の隣で恥ずかしくなるくらい私の試合を絶賛していたのが 友達の葛西静。 彼女もまた剣道部所属だ。 「あたしも次こそは絶対に試合に出れるように頑張らないとね」 「うん、頑張ろう!」 二人でそんな事を言い合っていると、部員のみんなの賑やかな声が聞こえた。 私と静かもそちらの方に向くと―――その先には見覚えのある人物。 「あれ?燐ちゃん?」 ついそう呼んでしまったのが聞こえたのか、彼がずかずかとやってきて 私の頭を軽くごついた。 「“ちゃん”は余計」