「私はな、この桜花を見守る者や」 桜花を...見守る者? 「これ見てみ」 冗談はここまでや、と切り上げ、本題に移った。 色摩君が先程持ってきた本を開いて見せてくれた。 「これは?」 「これはな、桜花に伝わる伝説の一つや」 伝説 またも聞きなれない言葉。 そもそも桜花に伝説があったこと自体、初めて聞いた。