~桜花~




構えは剣道しか知らない。




だけど、それだけで十分だった。




ゆっくり呼吸を整える。




大丈夫、私はやれる。




何度も繰り返したこの呪文はおまじないでもある。




気がつくと敵はもうすぐ目の前まできていた。




何だかどこまでも動けるような気がした。
軽く地面をけるだけですれば空高く、飛ぶことが出来た。




敵に向かって剣を振り落とす



「面―――――!!」




振り下ろしたのと同時に化け物の呻き声が聞こえ、サーっと消えてしまった。