~桜花~





目が何処についているか分からない。ただ人の体をしているだけは分かる。


色摩要よりも大きく、姿は暗くて見えない。


手足が長くて


少しでも伸ばせばきっと色摩要だけじゃない、私だってきっとやられる。



「あの」


やっとの事で声を出すと、色摩要はちっと舌打ちをしてそれから
こっちに来い、ぐいっと腕を掴まれたかと思うといきなり走り出した。




あまりの早さに着いていくことができない




あの変な不気味な化け物は何なのか、色摩君がどうしてここにいるのかも、聞けない。





「お前はここで隠れてろ」



着いた先は小さな公園。



色摩要に何か言おうと思ったのに、言おうとする前に
すぐに走り出した。